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乗入れ構台(養生構台)とは?設置する目的やメリットの解説
建設現場で重機や車両を安全に搬入・搬出するために欠かせないのが「乗入れ構台」。 不安定な地盤や高低差のある場所でも、安定した進入路を確保し、作業効率と安全性を向上させます。 設置前の計画や設計、使用時の注意点など、乗入れ構台に関する基礎知識を分かりやすく解説します。
まとめ
- ・乗入れ構台は別称養生構台とも呼ばれ、建設現場で重機や車両を搬入・搬出されるために設置される仮設構造物
- ・設置される主目的は「重機の安全な進入路の確保」「資材運搬の効率化と安全性の向上」
- ・利用の際は、積載荷重や速度制限など、基礎的なことを厳守しないと大きな事故に発展するため注意が必要
乗入れ構台とは?

乗入れ構台とは、建設現場において、地下掘削を行う重機やトラックなどの車両が安全かつスムーズに現場内へ乗り入れるために一時的に設置される仮設構造物です。 養生構台と呼ばれることもあります。
養生構台との違い
乗入れ構台は別称として「養生構台」と呼ばれる一方で、文脈に応じて使い分けられることがあります。例えば、乗入れ構台は「重機や車両を地下などへ搬入・搬出するための仮設の橋渡し」としての機能を指します。そして、養生構台は、乗入れ構台の機能に加えて、落下物や粉塵の第三者に危害が及ばぬよう対策を考慮された仮設構造物であることがあります。
養生構台とは
市街地等の密接な現場において第三者に危害が及ばないように歩道上空に設置する仮設構造物です。
乗り入れ構台とは
狭隘地の地下工事現場で建設機械を乗り入れさせるために設置する鉄骨製の作業台です。
狭隘地の道路等から建設機械の乗り入れは困難な事が多く、トラックや重機等が円滑に搬出入を行えるように設置する作業台です。
乗入れ構台の設置目的
乗入れ構台を設置する目的は、主に以下の2つです。
1. 重機の安全な進入路の確保
建設現場は、整地されていない場所や軟弱な地盤であることが多く、重機が安全に進入できないケースがあります。乗入れ構台を設置することで、安定した足場を確保し、重機が安全かつスムーズに作業場所へ移動できるようになります。
2. 資材運搬の効率化と安全性の向上
資材運搬車両も、重機と同様に不安定な地盤での走行は危険を伴います。乗入れ構台によって走行路を安定させることで、資材の運搬を効率的かつ安全に行うことが可能になります。
設置する前の準備
乗入れ構台の設置は、工事初期から安全かつスムーズな作業を行う上で重要になります。 設置するにあたっての重要事項や注意点について詳しく見ていきましょう。
事前の綿密な計画と設計
乗入れ構台の規模や構造は、搬入・搬出する重機や車両の重量・寸法、現場の地形や地盤状況、周辺環境などを考慮して慎重に決定する必要があります。地盤の強度不足や軟弱地盤の場合は、地盤改良や杭打ちなどの対策が必要になる場合もあります。経験豊富な専門業者に設計・施工を依頼し、安全性を確保しましょう。
安全対策の徹底
構台の周囲には、バリケードや安全標識、照明などを設置し、第三者の侵入や転落事故を防止しましょう。夜間作業や視界が悪い立地では、十分な照明を確保することも必要になるでしょう。また、構台の強度や安定性を定期的に点検し、異常があれば速やかに補修できるようにすることが必要です。
使用する上での注意点
乗入れ構台も仮設とはいえ命を預ける構造物となるため、以下の3点は十分注意が必要です。
1.積載荷重の厳守
構台の設計時に定められた積載荷重を必ず守りましょう。過積載は、構台の破損や転倒に繋がり、重大な事故を引き起こす可能性があります。また、重機や車両の重量だけでなく、積載物の重量も考慮する必要があります。
2.速度制限の徹底
構台上での速度制限を設け、徐行を徹底しましょう。特に、カーブや勾配がある場合は、さらに減速する必要があります。スピードの出しすぎは、構台からの転落や衝突事故に繋がりかねません。
3.誘導員の配置と連携
構台の入口や出口に誘導員を配置し、重機や車両の安全な通行を誘導しましょう。誘導員同士は、無線機などで常に連絡を取り合い、情報を共有することが重要です。特に、大型車両や見通しの悪い場所での誘導は、細心の注意を払いましょう。