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路床とは?役割や材料、路床工事について解説
主に砂や砂利でできており、路面にかかる重量をしっかりと支える上で欠かせません。
原地盤が軟らかい場合は、路床の改良工事を行い、地盤の支持力を高める場合もあります。この記事では、道路づくりに欠かせない路床の役割や、路床に用いられる主な材料、路床工事の流れについて解説します。
まとめ
- ・路床とは、 道路舗装の基盤となる層で、路盤の下に位置し、道路の荷重を支える重要な役割を果たす
- ・構築路床の必要性とは、軟弱地盤では道路の支持力が不足し、沈下や崩壊のリスクが高まるため、構築路床によって地盤を強化し、安定した舗装を維持する必要がある
- ・路床工事の流れは、予備調査で土質や支持力を確認後、適切な材料を選び、盛土・締固め・安定処理を実施する
路床とは

道路の舗装は、一般的に表層・基層・路盤の3つの層によって構成されます。路盤の下にある層が、砂や砂利でできた路床です。
路床は舗装を支える地盤のうち、路盤面から厚さ1mほどの部分を指します。路面を平らに均すため、盛土を行う場合は仕上がり面、切土を行う場合は掘削した面を基準として、路床を構築します。
舗装の構造 | 厚さの例 | ||
---|---|---|---|
舗装 | 表層 | 5cm | |
基層 | 5cm | ||
路盤 | 上層路盤 | 15cm | |
下層路盤 | 15cm | ||
路床 | 構築路床 | 1m | |
原地盤 | |||
路体 | – |
路床の下部には、土でできた路体があり、道路構造の最下層に当たります。路床が舗装にかかる重量を支えるためには、路体を平らに均し、しっかりと締め固める必要があります。
構築路床とは

路床には、原地盤をそのまま用いる場合もありますが、地盤が軟弱であったり、雨水の排水などに問題があったりするケースもあります。その場合に設けられるのが、構築路床です。
構築路床とは、原地盤を改良した層を指し、厚さは最大1mほどです。構築路床が必要かどうかは、CBR(路床土支持力比)と呼ばれる地盤の強度を表す値に基づいて判断します。
一般的にCBRが3未満の軟弱地盤は、舗装の支持力が弱く、地下水の変動などにより崩壊するリスクが高いため、路床としては適しません。その場合は原地盤の改良工事を行い、構築路床を設ける必要があります。
路床が果たす役割
路床の役割は、上層にある舗装と一体となって、道路を走行する自動車やトラックなどの重量(交通荷重)を支えることです。上層から伝えられた負荷が、路盤によって分散され、路床がしっかりと受け止める仕組みになっています。
また、舗装に必要な厚さを決定する上では、路床の状態や強度が重要な基準です。そのため、舗装工事を行う前に予備調査を実施し、路床を構成する土(路床土)の土質試験などを行わなければなりません。
路床は舗装工事の間、路盤を施工するための足場の役割も果たしています。
構築路床が果たす役割
原地盤が軟弱な場合は、新たに路床を構築する必要があります。構築路床が果たす役割は以下の3つです。
・路床の排水や、寒冷地における凍結融解の影響を緩和する
・地下にある埋設物(ガス管や下水道管など)への交通荷重の影響を緩和する
・軟弱な地盤を改良し、路盤などを施工する際の作業基盤を確保する
このように、普段は目に見えない路床は、道路の舗装工事において重要な役割を果たしています。
路床に用いられる主な材料
路床の材料には、砂や砂利などの土を用います。路床に用いられる土を「路床土」と言います。路床土には、礫や砂質土が適していますが、礫質土や粘性土、関東ローム層をはじめとした火山灰質粘性土なども用いることが可能です。
路床に適した材料 | 礫、砂質土 |
---|---|
路床に使用できる材料 | 礫質土、粘性土、関東ローム層をはじめとした火山灰質粘性土 |
路面を平らにするため、盛土を行う必要がある場合は、路体の上に土砂を均質に盛り、ロードローラーなどで締め固めます。この盛土を「路床盛土」と言います。
構築路床に用いられる主な材料
新たに路床を構築する場合は、既存の地盤を砂などの良質な材料(良質土)に置き換えます。良質土は土質や最大粒径、CBRなどの基準が決められており、木片や金属、ごみ、プラスチックなどの異物が混ざったものは適合しません。
また、路盤への地下水の侵入を防ぐため、路床の上に遮断層を設けることがあります。寒冷地では、路面凍結を防止するため、路床の上に非凍上性の材料を撒き、凍上抑制層を構築します。
路床工事の流れ
ここでは、一般的な路床工事の流れを紹介します。
予備調査
路床の予備調査では、試料を採取しての土質試験や、ピストンを貫入させてのCBR試験を行い、路床土として適切な土質を備えているかを確認します。
CBRが3未満の場合は、舗装を支えるために必要な支持力を計算によって求め、路床の構築を行います。
路床の構築
路床は交通荷重を支える基礎となっているため、しっかりと施工しなければなりません。まずブルドーザーなどを用いて表面を均した上で、ロードローラーなどによって締め固めます。
路床を構築する場合は、良質土を用いた盛土や置換工法のほか、路床土に石灰やセメントなどの安定化剤(固化材)を加える安定処理工法などの工法から、適したものを選定します。
路床の役割や材料、路床工事の流れについて知ろう
路床とは、路盤の下部、路体の上部にある土(砂や砂利など)でできた層のことです。
普段は目に見えない路床には、道路の舗装において欠かせない機能があります。上層から伝わる交通荷重を支えるほか、路盤に流れ込む地下水を遮断しだり、路面凍結を防いだりするのも路床の役割です。
路床土の強度が不足している場合は、良質土などを用いた構築路床を設けるケースもあります。路床の役割や材料、路床工事の流れについて知っておきましょう。