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2024.10.23 PROCESS CHART

ゼロ工程表とは?書き方やフォーマットの解説【ExcelテンプレートDL可】

ゼロ工程表は、プロジェクトの大枠を関係者間で共有し、認識を一致させるための工程表です。稼働しない日を省き、納品までの大まかなスケジュールを把握できます。ゼロ工程表のExcelテンプレートを実際に用意しておりますので、ゼロ工程表のことを知り、実際に利用して見て下さい。
※注意:こちらのフォーマットを利用する場合は、先んじて本項目で問題がないか提出先に確認をするようお願いします。

まとめ

  • ・ゼロ工程表とは、建物の建設工事などのプロジェクト大枠を把握するために作成され、稼働がない日を省いた工程表のこと
  • ・ゼロ工程表を作る際は、関係者全員に理解ができる様に専門用語など使わず直感的に理解しやすいようにする

ゼロ工程表とは?

ゼロ工程表とは、建物の建設工事などのプロジェクト大枠を把握するために作成され、稼働がない日を省いた工程表です。一般的な工程表との違いは、以下の表の通りです。

ゼロ工程表一般的な工程表
作成目的全体像の共有と関係者間の合意形成具体的な作業手順やスケジュール管理
スケジュールの書き方稼働しない日を考慮せず、納品までに稼働する日数や期間をざっくりと把握する稼働しない日もスケジュールに入れ込み納品までの正確な日程を把握する
詳細度大まかな内容詳細な内容
修正頻度少ない多い

表のとおり、ゼロ工程表は一般的な工程表よりもざっくりとした内容になっており、プロジェクトの全体像を関係者間で共有し、認識を一致させるために作成します。そのため、詳細な作業手順やスケジュールは記載せず、あくまでプロジェクトの大枠を掴むための資料という位置付けになります。

ゼロ工程表のExcelテンプレートはこちらからダウンロードいただけます。

※注意:こちらのフォーマットを利用する場合は、先んじて本項目で問題がないか提出先に確認をするようお願いします。

ゼロ工程表を活用するメリット

ゼロ工程表を活用することで、プロジェクトの成功率を高め、目標達成に大きく貢献することができますが、具体的なメリットは以下の通りです。

  • プロジェクト開始前に課題やスケジュールを明確化することで、見落としや認識のズレを減らし、手戻りを防ぐことができる
  • 工程の遅延や問題発生時の対応を迅速に行うことができ、スケジュール管理や進捗確認が容易になる
  • 各担当者の役割や責任範囲を明確化することで、関係者間のコミュニケーションが円滑になる

ぜひ、今後のプロジェクトに役立ててみてください。

ゼロ工程表の作成手順

ゼロ工程表は、以下の手順に沿って作成していきます。

施工範囲の決定
まずは、プロジェクト全体のどの範囲をゼロ工程表で管理するのかを明確にしましょう。 例えば、建物の建設であれば、基礎工事から内装工事まで全てを含めるのか、あるいは特定の工程のみに絞るのかを決定します。

施工期間の決定
次に、納品までの期日を明確にしておきます。 開始日と終了日を明確にすることで、プロジェクト全体のスケジュール感が掴みやすくなります。それぞれの工程である程度のバッファ期間をとっておくとさらに安心でしょう。

人員や機材の配分
各工程に必要な人員(複数いる場合は責任者やリーダー)や機材を洗い出し、適切に配置していきます。 人員や機材の不足は、工程の遅延に直結するため、余裕を持った計画が重要です。

作成方法・担当者決定
ゼロ工程表の作成には、Excelや専用のソフトウェアが用いられます。本記事ではDLできるゼロ工程表があるので、そちらを参考にしていただいても問題ありません。

最終確認
作成したゼロ工程表は、関係者間で内容を確認し、共有します。 工程の抜け漏れや、期間設定の矛盾がないかなど、入念にチェックを行いましょう。

ゼロ工程表作成の注意点

ゼロ工程表は、プロジェクトの関係者全員が情報を共有し、どのような作業をどのようなスパンで行うべきか確認できます。そのため、誰にとっても分かりやすく、見やすい工程表を作成する必要があります。

・専門用語などを使わず誰にでも伝わるように表現
・工程の開始日と終了日を視覚的に分かりやすくするために、本記事でDLできるExcel資料のようにバーチャートなどを活用

これらの点に注意することで、より効果的なゼロ工程表を作成することができます。

ゼロ工程以外の工程表の種類と特徴

ゼロ工程表以外にも、プロジェクト管理の場面では様々な種類の工程表が用いられます。それぞれの工程表の特徴を理解し、プロジェクトに最適なものを選択することが重要です。

バーチャート工程表

バーチャート工程表は、横軸に時間軸、縦軸に作業項目を設け、各作業の開始日と終了日を棒グラフで表した工程表です。

作業項目4月5月6月7月
基礎工事████
建方工事████
内装工事██

上記のようなシンプルな構造のため、視覚的に作業の進捗状況を把握しやすいというメリットがあります。比較的簡単なプロジェクト管理に適しており、誰がいつまでに何を行うかという全体像を把握するのに役立ちます。

ガントチャート工程表

ガントチャート工程表は、横軸に進捗率、縦軸に作業項目を設けたものです。バーチャートは日時で管理される一方、ガントチャートは進捗で管理します。一方で、作業の遅延が他の作業に与える影響を把握しにくいというデメリットもあります。

ネットワーク工程表

ネットワーク工程表は、プロジェクト全体の作業の流れと相互関係を視覚的に表現する工程表です。ただし、ネットワーク工程表は他の工程表と異なり、作成や理解に専門知識を要するため、作成難易度は他より高いです。そのため、小規模なプロジェクトには不向きと言えます。

まとめ

ゼロ工程表は、プロジェクト全体を俯瞰し、関係者間で認識を共有するための工程表です。稼働日だけに焦点を当てることで、大まかなスケジュールを把握し、プロジェクトの成功を促進します。
作成の際は、専門用語を避け、視覚的に分かりやすい表現を心がけましょう。Excelテンプレートなどを活用すれば、簡単に作成できます。
ただし、ゼロ工程表はあくまで大枠を把握するためのツールであり、詳細な管理には不向きです。プロジェクトの規模や目的に合わせて、他の工程表と併用することも検討しましょう。