2022.04.01
橋梁の壁高欄ジョイント部の伸縮継手。 スプリング機能であらゆる変位に対応 |
東日本大震災以降、防災・減災への意識はより高まっており、首都直下地震・南海
トラフ巨大地震およびその他の大規模自然災害に対する総合的な対策の検討が進められ
ている。これまでは橋梁に添架されている電気や通信ケーブル用の管路や継手について
耐震の明確な基準がなかったが、2019 年4 月に改訂された「電気通信設備据付標準図
集」(国土交通省大臣官房技術調査課電気通信室監修・一般社団法人建設電気技術協会
発行)では、橋梁ジョイント部の配管敷設に対する耐震の考え方が新たに追加され、壁
高欄ジョイント部の耐震継手の仕様が明示された。
長年にわたり、電線・通信ケーブル用の管路システムやハンドホールなどを開発、
提案してきた土井製作所は、地震、地盤沈下、液状化対策や設備の老朽化対策など
防災・減災に特化した商品開発に積極的に取り組んでいる。「電気通信設備据付標
準図集」に準拠している同社の橋梁用の耐震管路材システムは、壁高欄ジョイント
部の伸縮継手として使用するもの。このシステムを用いることで、橋梁部の添架・
埋込み配管材が地震等の橋の移動に追随し、抜けや破損等のリスクを軽減する。
これまで国土交通省の工事やNEXCO などで数多く採用されてきた。
新たに開発した「自在伸縮継手(SP 型)」は、壁高欄ジョイント部の伸縮継手
として使用するもの。スプリング機能のため、あらゆる変位に対応が可能で、
さらに変位後も自動的に元の位置に戻る。振動試験で240 回/min. では、1時間
(14,400 回) の試験に対応する。通常の伸縮継手は、軸方向と軸直方向の変位に
対応するが、同社が開発した自在伸縮継手(SP 型)は水平、垂直、さらに斜め
方向の力にも対応することが大きな特長である。片側伸縮タイプと両側伸縮タイ
プがあり、露出構造のため、メンテナンスや交換も容易。管はステンレス製で耐
侯性に優れている。配管支持金物は、自在伸縮継ぎ手(SP 型)橋梁の壁高欄ジョ
イント部の伸縮継手。スプリング機能であらゆる変位に対応コンパクトに収納で
きる多条型を準備している。
美観を重視する場合は、ボックス埋込型の「自在伸縮継手(SPB 型)」がある。
壁高欄の強度などを考慮する必要があるが、納まりがよく景観性や美観性を高め
ながら、耐震性に求められる機能を満たす。3 次元の動きに対応する自在伸縮継
手(SP、SPB) は、次世代の耐震継手として期待される。
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